そうだったんだ!ヘルプマークの基礎知識 # 福祉 # ヘルプマーク # ピクトグラム # インクルーシブ 福祉 2022.07.21 ヘルプマークをごらんになった方、いらっしゃるでしょうか? 電車の優先席の上に、「優先席」ステッカーに並んで、赤いこのマークのステッカーを見かけるようになりましたよね。 また、バッグやリュックなどに下げている方を見かけることもあります。 今回はこの、知っているようで知らなかったヘルプマークについて、取り上げたいと思います。 ヘルプマークが生まれたのは? もともとは、「内臓疾患など、助けが必要だと周りから分かりづらい人が優先席などを使用してつらい目にあうことが多い。支援できるものはないか」という意見から生まれたのだそうです。 見えづらい障害を抱える人びとが社会で少しでも支援が受けやすいように、との願いを実現すべく、それ以前からも各種の当事者団体によって『ハート・プラスマーク』や『見えない障害バッジ』などが考案され、使用されてきました。 東京都福祉保健局がヘルプマークを作成し、東京都が制定したのが2012年度。サービスとして開始されたのが10月から。 すでに10年の歴史があるのですね。 ヘルプマークはもともと、東京都独自の取り組みとして始まりましたが、都営地下鉄大江戸線はじめ、各交通機関に広まった後に病院などでも採用され、やがて全国に広がりをみせるようになりました。 だれが持てるの? ヘルプマークが広まった一番の理由は、その特徴にあるでしょう。 最大の特徴、それは、障害者手帳や療育手帳などの公的証明書を持たない人、例えば内部障害を持つ人、妊娠初期など、外部からは解りにくいが援助や配慮が必要な人ならばどなたでも持つことができる点です。 東京都が著作権を持ち、商標登録もされていますが、ヘルプマークの趣旨に合えば作成や活用もできます。ただし、寸法や比率を含めてガイドラインに従う必要があります。 ヘルプマークのガイドライン どこで手に入るの? 藤枝市の場合は以下の窓口で配布されています。 (※ 2022年7月現在) ・藤枝市役所 障害福祉課(前自立支援課) ・岡部支所 ・藤枝市立総合病院 入退院・在宅支援室 藤枝市『援助が必要な方のための「ヘルプマーク」』 今回、試しに市役所西館一階の障害福祉課窓口に行ってみました。 誰でも必要とする人に配布、ということですが、いただく際には一応、アンケートという形で簡単な聴き取りがあります。 性別、年代、障害者手帳の有無(無くてももらえます)、どんな「困りごと」で必要なのか……例えば、内部疾患あり、等。 自分の所属する団体等で複数ほしい、などの場合には、事前にお問い合わせいただきたいとのことです。 実際のものはこのような感じです。 板部分が縦8センチちょっと、幅が5センチ。 ストラップの長さが10センチ程度。 柔らかいシリコン素材です。 静岡県健康福祉部の発行した説明書がついています。 説明書は漢字にすべてふりがながついていました。 両面とも同じピクトグラム(マーク)がついていますが、片面に必要事項を記載できるように、紙製のシールもついています。 自由に記載できるようですね。 シールをつける場合には、雨などでにじまないように、油性ペンなどではっきりと書いた方がよさそうです。 このマークをつけた人を見かけたら。 いちばん分かりやすいのが、「電車やバスで近くに立っているのを見かけたら席をゆずる」でしょうか。 ただ、理由があって立っていた方が良いかも知れないので、とりあえず「よかったらいかがですか」と声をかけてみるのがベストでしょう。 気分が悪そうに座り込んでいる方を見かけて、手助けが必要と判断した場合、もしヘルプマークをつけていらっしゃるようでしたら、念のために裏面を確認してみると、何らかの支援のヒントになることが記載されているかも知れません。 勢い込んで「助けなくては!」とまではいかなくて大丈夫。 見かけたらさりげなく気をくばり、手伝えそうなことがあれば手伝いを申し出る…そんな程度でも、ヘルプマークの存在意義はおおいにあるでしょう。 このようなツールがあってもなくてもさりげなく助け合える社会が実現すれば、ヘルプマークという存在がいつしか歴史のひとコマになる日も来るかもしれませんね。 Like