身近な点字にふれてみよう! # 福祉 # ユニバーサルデザイン # 点字 福祉 2022.07.06 目の見えない・見えづらい方の生活を助けるため、点字というものがあります。 点訳本という本があったり、名刺に点字を入れている方がいたり…… しかし実は、みなさんも毎日、あちこちで点字に出あっていますよね? 案内板、日用品など、小さな点々たちは私たちが普段暮らす中にも多種多様に存在しています。 いつもは気にせず素通りしていますが、今回は、よく出あう点字について、また、点字のようで点字でない暮らしのお役立ちの点々などをご紹介します。 点字の基本 点字は基本的には、縦3個横2個、計6個を『1マス』として文字を示しています。 「が」「ぱ」などの濁音や半濁音、「しゃ」などの拗音(はねる音)は2マスで1文字になっています。 また、数字や英文字などには先頭に数字英文字を示す符号としての点字が1マス入ります。 点字一覧はこちらでもご覧いただけます。 日本点字委員会 サイトより 「点字を読んでみよう」 さて、実際の例を見てみましょう。 身近に出あう点字たち まずはエレベーター。 上矢印ボタンの左側に2マス分、下側に4マス分の点字があります。 読んでみると…… 「うえ」「1かい」と書かれていました。 数字の「1」が2マスで表記されていたのですね。 自動販売機にも点字つきのものがあります。 黄色いレバーに5マス分、小銭を入れる穴の下に3マス分の点字がありますね。 これにはそれぞれこう書いてあります。 「きゃ」は拗音、つまり「はねる音」なので2マス分の点字となっています。 家の中、電化製品などにも点字がついていました。 洗濯機の「切」「入」には2マスずつ。 文字はこうなっています。 オン・オフということばで、少しでも短く分かりやすく、と工夫されていますね。 スタートと一時停止にも4マス分の点字があります。のばす線も点字で決められています。 日用品にもありました。 缶ビールや缶酎ハイの飲み口近くにある点字です。 間違って飲んでしまったら困る方も多いですよね。ちゃんと「おさけ」とありました。 これは塩素系漂白剤。何と書いてあるかというと…… 「えんそけい」。危険なものに、このように点字表示があると助かりますよね。 他にも、電化製品ですとトイレの温水洗浄便座の操作パネル、IH調理器などにも点字表示対応のものがあります。 日用品ですと、ソースやジャムなどのびんに点字が入っているものがあります。 点字ではない。でも大事な点々 文字としての点字ではありませんが、外に出ると重要な点字がそこかしこに存在しているのをご存知ですか? そう、点字ブロック。 こちらは誘導(線状)ブロックといって、目の見えない方はこの凹凸の伸びる方向を頼りに、先に進みます。 またこちらは警告(点状)ブロック。 止まるべき場所を示すたいせつなブロックです。よく見かけるのは駅のホームではないでしょうか? 暮らしに役立つ点々など 他にも、点字ではないのですが同じように活躍しているデコボコがあります。 こちらは一見、なんでもないように見える炊飯器と電子レンジの「切」スイッチ。 よくみると、スイッチのまんなかあたりに、横にのびた点があるのが判りますか? とにかく急いでスイッチを切る、という時にはあると助かりますよね。 電話のテンキー、真ん中の5の位置に印がついているのにお気づきの方も多いかと思います。また、パソコンのキーボード、まずひとさし指を置く「F」「J」キーにも突起がついています。 また、一部のシャンプーにはボトルの脇に横長の線状の突起が並んでいます。 目を閉じて頭を洗っている時に、あんがいこれで助かっている人も多いのではないでしょうか? ふだんから、私達は気づかないうちに凸凹のお世話になっていたのですね! 点字があった。そんな時、気を配りたいこと まず興味をもってみる。読めるようになると更にすばらしい! 意識すると次々と出あうことのできる点字。ユニバーサルデザインの観点からも、今後ますます大切な存在になるかと思います。 そんな点字に出あったら、まず、興味をもって「なんと書いてあるんだろう」と少しだけ意識をそちらに向けてみてください。 「効率的な表現!」と感心したり、逆に「この説明で分かるのかな?」と、何かしらの気づきにつながることもあるでしょう。 点字ブロックの上に自転車や荷物を置かない 白杖(はくじょう)や靴裏など、目の見えない・見えづらい方が進路を決める助けとしておおいに活用しています。つい、自転車や大きな荷物でふさいでしまわないように、点字ブロックの意味がなくならないように、ふだんから心がけたいものです。 案内板に傷をつけない。やさしく! 触ってみて、実際に文字を感じることができる案内板。素材もさまざまですが、傷には弱い一面もあります。触る時にはやさしく、そして、傷をつけないようにていねいに扱ってくださいね。 身近なところから拡がるユニバーサルデザインのひとつとして、これからも点字が活用されていくといいですね。 Like